犬の健康・病気のギモン(16問)

犬の健康・病気
犬の体調と病気についてまとめたカテゴリです。熱中症の初期症状と応急処置、チョコレートやタマネギを誤食したときの対応、自宅でできる脱水の見分け方など、判断を急ぐ場面を中心に構成しました。夏のエアコンの設定温度や冬に気をつけたいこと、散歩の際の虫対策といった、季節ごとの予防にも触れています。シニア期については、認知症の初期症状や、階段の上り下りを嫌がるようになった変化をどう受け取るかを扱いました。あわせて、動物病院を怖がる犬への向き合い方と受診時のマナーも入れています。いずれも一般的な情報のため、症状があるときは動物病院を受診してください。

監修 獣医師 渡邊 遥おうち de ペットクリニック

犬の涙やけの原因と対策を教えてください。

犬の涙やけの原因は、大きく分けて2種類あります。

①涙の排出がうまくいかない場合
生まれつきの涙管の詰まりなど

②過剰な量の涙が分泌される場合
まつ毛、まぶたの異常、アレルギー、結膜炎・角膜炎、ストレスなど。

対策としては、毎日の拭き取りケアで清潔に保つことが基本です。
アレルギーの場合はフードの見直しなど、原因に応じて対策していくことが大事です。

犬の「アレルギー」にはどんな種類や症状がありますか?

食物アレルギー、アトピー性皮膚炎(ダニや花粉)、ノミアレルギーなどがあります。皮膚の赤みや強い痒み、目の充血、下痢、体を頻繁に引っ掻くなどの症状が出ます。

犬の熱中症の初期症状と、応急処置を教えてください。

初期症状は、激しいハアハアという呼吸(パンティング)、よだれが大量に出る、目が充血するなどです。
応急措置は下記3ステップになります。

①直ちに涼しい場所へ移動する
②濡れタオルで体を包んで脇の下や太ももの付け根などを中心に身体を冷やす
③風を当てて体温を下げる

これらを措置しながら、ただちに動物病院へ向かいましょう。病院へ向かう前の数分間の対応が、愛犬の生存率を大きく左右します。

犬の「熱中症」を防ぐための基本的な対策を教えてください。

室内ではエアコンを22〜25℃前後、湿度は50%程度に設定しましょう。エアコンだけでなく扇風機や換気も活用し、冷気が部屋全体に行き渡るようにして、新鮮な水をいつでも飲める状態にしておくことも大事です。

夏場の散歩は早朝か日没後の涼しい時間帯を選びましょう。クールウェアや保冷剤入りバンダナを着用させ、濡れタオルを持参するなど暑さ対策も必要です。

「ちょっとだけ」のつもりでも車内温度は急上昇するため、車内への放置は絶対NGです。

犬の毎日の健康チェックで、特に意識して見るべきポイントはどこですか?

元気や食欲のほかに、目ヤニや涙、耳のニオイや赤み、鼻の乾き具合(寝起きを除く)、歩き方の違和感、そして便や尿の状態をチェックします。また、スキンシップを兼ねて全身を触り、痛がる場所やしこり(腫瘍)がないかを確認することが病気の早期発見に繋がります。

犬が動物病院に行くのを激しく怖がります。少しでも和らげる方法はありますか?

病院=怖い場所という印象を薄めるため、診察がない日でも病院の近くまで散歩に行き、受付で声をかけたりおやつをもらったりする「楽しい通院の練習」が効果的です。また、待合室では他の犬が見えないようにキャリーをタオルで覆う、飼い主さんが焦らず落ち着いて声をかけるなどの工夫が大切です。

動物病院を受診する際、飼い主が守るべきマナーや準備しておくべきものは何ですか?

他のペットとのトラブルを防ぐため、犬には必ずリードを短くつけるか、キャリーバッグに入れて来院しましょう。受付をスムーズにし適切な診断を受けるために、ワクチン接種証明書、症状が出ている時の便や尿、あるいは症状(咳や痙攣、歩き方の違和感など)をスマホで撮影した動画を持参すると非常に役立ちます。

愛犬の適正体重の知り方と、自宅でできる肥満のチェック方法は?

犬の肥満は「BCS(ボディ・コンディション・スコア)」という基準で確認します。上から見た時にウエストのくびれが適度にあるか、横から触った時にうっすらと肋骨(あばら骨)の感触がわかる状態が理想(適正体重)です。肋骨が全く触れない、上から見て寸胴や丸太のようになっている場合は肥満の可能性が高いため、食事量を見直す必要があります。

シニア犬(高齢犬)の「認知症」にはどのような初期症状がありますか?

夜中に突然理由なく鳴き続ける(夜鳴き)、壁の角や家具の隙間に入り込んだまま後退できなくなる、食事をさっき食べたばかりなのに何度も催促する、飼い主さんへの反応が薄くなる、といった行動の変化が代表的なサインです。脳の老化を緩やかにするため、獣医師に相談してエイジングケアに配慮した栄養を取り入れることが推奨されます。

夜鳴きなど不安行動が気になる場合はGABAを配合したリラックスサプリメント、加齢による脳や体の変化が気になる場合はNMNを配合したサプリメントで日々のケアをサポートするのもおすすめです。

気になる様子があれば自己判断せず、まず獣医師にご相談ください。

犬の足の裏(肉球)が赤くなっていたり、しきりに舐めている時の原因は?

指の間にゴミやトゲが挟まっている、お散歩時のアスファルトの熱で軽い火傷を負っている、またはストレスやアレルギーが原因で肉球周りが痒くなり、舐め壊して「指間炎」という皮膚炎を起こしている可能性があります。放置すると足の裏が雑菌で悪化するため、舐めるのを止めさせて動物病院で適切な消炎剤や軟膏を処方してもらいましょう。

普段のケアとしては、乾燥やひび割れを防ぐ肉球用の保湿クリームでの保湿ケアや、お散歩後に指の間の汚れをしっかり落とせる水を使わない肉球用シャンプーで、そもそもの原因を予防するのもおすすめです。

犬にチョコレートやタマネギを与えてはいけない理由と、誤食した時の対応は?

チョコレートに含まれるテオブロミンは心臓や神経に重大な中毒を起こし、タマネギなどのネギ類に含まれる成分は赤血球を破壊して激しい貧血を引き起こすため、犬にとっては命に関わる猛毒です。万が一これらを食べてしまった場合は、自宅で無理に吐かせようとせず、すぐに「何を・いつ・どれだけの量食べたか」を動物病院に電話で伝え、指示を仰いでください。

シニア犬が「階段の上り下り」を嫌がるようになりました。単なる老化ですか?

単なる筋力の衰えだけでなく、「変形性関節症」や「パテラ(膝蓋骨脱臼)」、あるいは「椎間板ヘルニア」など、関節や背骨に強い痛みを抱えている可能性が非常に高いです。無理に歩かせると悪化するため、スロープを設置したり飼い主さんが抱っこして移動してあげましょう。また、関節の健康維持に配慮した環境や体重管理を徹底することが重要です。

日々のケアとして、関節サポート成分を配合した関節ケア用のサプリメントや、関節ケアと腸内ケアを同時に行える関節ケアと腸内ケアを兼ねたサプリメントを取り入れるのもおすすめです。

サプリメント等のご使用について、まずは獣医師への相談をおすすめいたします。

愛犬の「脱水症状」を自宅で簡単に見分ける方法はありますか?

犬の首筋や背中の皮膚を指で優しく上に引っ張り、パッと手を離してみてください。健康な状態であれば、皮膚はゴムのように一瞬で元に戻ります。しかし、手を離しても皮膚が引っ張られた形のままゆっくりとしか戻らない場合(スキン・テント試験の陽性)は、深刻な脱水症状を起こしている証拠です。すぐに水分補給をさせつつ、病院で皮下点滴などの処置を受けてください。

普段あまり水を飲みたがらない子には、ペット用のヤギミルクを水分補給のサポートとして取り入れるのもおすすめです。

犬のお散歩の際の虫対策はありますか?

お散歩やおでかけ時の虫対策としては、そもそも蚊やマダニが多い草むらや茂みにはできるだけ近づかないようにすることが基本です。
また、事前の対策として下記2つが挙げられます。

①動物病院での予防薬を処方する
予防薬により成分が犬の身体に行き渡り、虫が皮膚に接触または吸血した時点で駆除・無害化する効果があります。

②虫よけ対策をする
虫よけスプレーなど、そもそも虫を寄せつけないことで、蚊に刺される不快感を減らしたり家にノミ・ダニを持ち込むリスクを下げる

虫よけスプレーを選ぶ場合は下記に注意しましょう。
・人間用ではなく犬専用のもの
・ディート、イカリジン不使用で、天然成分由来のもの
・香りは強すぎない、無香タイプ
・「舐めても安全」「食品グレード成分使用」「無添加」の記載があるもの

夏の暑さ対策、エアコンの設定温度は何度くらい?

犬が過ごす部屋の室温は22〜26℃、湿度は50%が理想です。犬は暑さに非常に弱いため、24時間つけっぱなしが基本となります。

エアコンだけでなく扇風機や換気も活用し、冷気が部屋全体に行き渡るようにしましょう。

また、新鮮な水をいつでも飲める状態にしておくことも大事です。

冬の寒さ対策、暖房以外に気をつけることは?

こたつやホットカーペットによる「低温やけど」に注意してください。ケージ内に逃げ道(暖房が当たらない涼しい場所)を作っておくことが大切です。

また、空気が乾燥するとウイルス感染や皮膚トラブルの原因になるため、加湿器などを利用して湿度は40〜60%を保ちましょう。

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