冬こそ要注意!愛犬・愛猫を「隠れ脱水」から守るための水分補給ガイド

冬こそ要注意!愛犬・愛猫を「隠れ脱水」から守るための水分補給ガイド

「うちの子、冬になってからあまり水を飲まなくなった気がする……」
冬は「寒さ対策」ばかりに目が行きがちですが、実は冬こそ水分量不足が起きやすく、注意が必要です。
空気が乾燥し飲水量が減る冬は、飼い主さんが気づかないうちに愛犬・愛猫の「隠れ脱水」が進んでいることも。この「隠れ脱水」を放置しておくと、深刻な病気につながってしまうこともあります。
今回は、冬に気をつけたい犬・猫の「隠れ脱水」の原因やサイン、そして今日からできる給水の工夫について解説します。

目次

冬に犬猫の「脱水」が起きる原因は?

冬は以下の要因が重なることで、自覚症状のない「隠れ脱水」に陥りやすくなります。

1.喉の渇きを感じにくい

寒さにより喉の渇きを感知するセンサーが鈍くなり、自発的に水を飲む回数が減ります。

2. 暖房による乾燥

エアコンや床暖房の使用で室内が乾燥し、呼吸や皮膚から水分が失われる「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」が増加します。

3. 飲み水の冷たさ

キンキンに冷えた水を嫌がり、飲むのを控えてしまう子が少なくありません。

犬猫の1日に必要な水分量

正しい水分量を把握している飼い主さまは、3割程度とも言われています。
「うちの子はお水を飲んでいるから大丈夫」と思っても、改めて確認してみましょう。
犬や猫にとって、1日の必要量の目安は【体重1kgあたり50ml〜60ml】とされています。
体重5kgの動物であれば、1日に約250~300mlが目安です。
部屋の温度や運動量、年齢、フードの種類によっても必要な水分量は変わるため、愛犬や愛猫に合った量を考えてあげることが大切です。
また、季節によっても水分の必要量は変わることがあります。冬場は暖房の影響で水分が失われやすいため、季節を問わずこまめな水分補給を心掛けることが大切です。

犬猫の「隠れ脱水」のサインとは?

冬の脱水は、見た目にはわかりづらいことが特徴です。
下記症状が該当する場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

  • おしっこの色がいつもより濃い
  • おしっこの回数が減った、量が少ない
  • 口の中が粘ついている
  • 皮膚を軽くつまんでも、元に戻るのに時間がかかる

皮膚つまみ試験(テントテスト)

ご家庭で正確に水を飲む量を確認することはなかなか難しいかもしれません。 そんなときは愛犬・愛猫の首筋の皮を軽くつまんで持ち上げ、パッと離してみてください。
正常   : 離した瞬間に元の形に戻る。
脱水の疑い: 元に戻るのに数秒かかる、または形が残る。

放置は禁物!水分不足が招く深刻なリスク

水分不足は単なる「喉の渇き」では済みません。特に犬猫にとって、以下の疾患のリスクを跳ね上げます。

リスク 影響と症状
泌尿器系トラブル 水分が減ると尿が濃縮され、尿石症(結石)や膀胱炎のリスクが高まります。
腎機能への負担 老廃物を排出できなくなります。特に猫に多い慢性腎臓病の場合、脱水が引き起こす負荷によって悪化させる原因に。
消化器トラブル 便が硬くなり、便秘を引き起こします。
免疫力の低下と感染症リスク 鼻や喉の粘膜が乾燥し、ウイルスや細菌に感染しやすくなり、重症化しやすくなります。

犬猫の「冬の水分摂取量」を増やすには?

上記で記載したように、犬猫は冬になると水を飲む量が減りがちです。
以下のポイントを参考に、冬でも上手に水分を摂取できるよう工夫してみましょう。

1.「ぬるま湯」を用意する

冷たい水よりも、37〜38度程度のぬるま湯を好む犬猫は多いです。特にシニア期の子には、胃腸を冷やさないためにも効果的です。

  • 37〜38度程度のぬるま湯は細菌の繁殖が高くなりやすいため、こまめな交換が必要
  • 温めた浄水は長い時間放置せず、30分を目安に交換すること
  • 水道水はあらかじめ残留塩素があるので、1時間程度での交換が目安

2.食事から水分を補う

ドライフードの場合は、ウェットフードと併用するか、切り替えてみましょう。
水分含有率は、ドライフードが10%程度に対し、ウェットフードは70%程度と言われています。 また、ドライフードにぬるま湯や「ささみのゆで汁」などのスープをかけることも有効です。

3.水に味やフレーバーをつける

飲料水に、ささみの茹で汁や、塩分不使用の出汁を薄めて混ぜてみましょう。 それだけでも驚くほど飲むようになる子がいます。 嗜好性の高いヤギミルクなども飲みやすいため、水分補給に役立ちます。

4.水飲み場の環境を見直す

場所を増やす: 寒い廊下まで行かなくても飲めるよう、暖かいリビングにも設置しましょう。
清潔を保つ : 冬は油断しがちですが、暖房の効いた室内では水も傷みやすいです。こまめな交換を。

まとめ

寒い季節は、愛犬・愛猫の飲料水が減りやすく、飼い主さんが気づかないうちに脱水が進んでいることがあります。「水を飲まないこと」が病気の引き金になることもあるので注意が必要です。
「最近あまり水を飲まない」「尿の量や色が気になる」と感じたときは、早めに体調を確認しましょう。
なお、環境や食事のちょっとした工夫で、脱水の予防や改善ができることもたくさんあります。
冬を元気に乗り切るため、適切な水分量を摂取できるよう工夫して、健康に過ごしていきたいですね。

監修

渡邊 遥 先生

おうち de ペットクリニック

2015年日本大学卒業、獣医師免許を取得。4月より横浜市の動物病院で小動物臨床に従事。
その後ペット関連企業での研究開発や商品開発、グループ動物病院の運営に従事し、様々な視点での犬猫の生活・診療に携わる。

2022年に福岡県内で往診専門動物病院を開院し、在宅動物医療にあたる。また、「どうぶつとの社会は、人を豊かにする」をテーマにペット関連事業者のサポートやペット業界での講演や執筆など幅広く活動を行う。

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