愛犬の耳掃除、どのくらいの頻度ですればいいの?と疑問に思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。
健康管理のためにも耳のチェックは大切ですが、間違ったケアややり過ぎは、かえって耳のトラブルを引き起こす原因になります。
この記事では、犬の耳掃除の必要性や正しい頻度、手順、やってはいけないNG行動までを分かりやすく解説します。
犬に耳掃除は必要?

自浄作用があるので汚れていなければ不要
犬の耳には、奥の汚れを自然に外へと排出する「自浄作用」が備わっています。
そのため、基本的には無理に耳掃除をする必要はありません。汚れていないのに過度に掃除をすると、皮膚のバリア機能を損ない、かえってトラブルの原因になります。
ただし、耳が汚れやすい「犬種」や「体質」、「季節」「耳の状況」によっては、定期的な耳掃除が必要です。
耳が汚れやすい犬種
耳の形状や体質によって、耳が汚れやすい犬種があります。特に垂れ耳の犬種の場合は、耳の通気性が悪いため、耳の中が蒸れやすく、外耳炎などを発症しやすい傾向があります。
愛犬が以下の犬種・タイプに当てはまる場合は、こまめなチェックを行い、必要に応じて耳掃除をしていきましょう。
垂れ耳の犬種(通気性が悪く蒸れやすい)
ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、キャバリア、ミニチュアダックスフンド
耳毛が多い犬種(汚れが絡まりやすい)
トイプードル、ミニチュアシュナウザー
耳道が狭い短頭種(分泌物が溜まりやすい)
パグ、フレンチブルドッグ、ブルドッグ
耳垢腺が多い・脂漏体質の犬種(耳垢が出やすい)
アメリカン・コッカースパニエル、シーズー、ヨークシャーテリア
耳トラブルが起こりやすい時期
梅雨・夏の高温多湿な時期は、耳の中が蒸れやすく、細菌やカビ(マラセチア)が繁殖しやすい環境になります。普段は耳掃除があまり必要ない犬種でも、この時期は耳の状態を念入りにチェックするようにしましょう。
また、アレルギーが原因で外耳炎を起こす場合は、特定の季節に症状が悪化することがあるので注意が必要です。
耳掃除の頻度は?
耳掃除の頻度は、愛犬の犬種・体質・耳の状態に合わせて「段階的」に変えていきましょう。
【週1回】耳の状態チェック + 基本の日常ケア
- 週に1回、夜のスキンシップタイムなどに耳の中をのぞいてチェックしましょう。
- 目に見える「耳の外側(ヒダの部分)」に少し汚れがある程度なら、そのつど軽く拭き取るだけで十分です。
【月1回】しっかりした耳掃除
耳が汚れやすい犬種や体質の場合は、月1回を目安に、専用のイヤーローションを使った本格的な耳掃除を行いましょう。
獣医師からのアドバイス
定期的に耳掃除をしてもすぐに汚れやニオイが気になる場合は、ケアの頻度が適切でないか、すでに炎症が起きている可能性があります。自己判断で回数を増やさず、一度動物病院へ相談してみましょう。
自宅でできる正しい耳掃除の手順
用意するもの
コットン
犬用のイヤークリーナー/イヤーローション(耳洗浄液)
- 保湿効果が高い商品を選びましょう。
- アルコール入りのウェットシートや人間用のケアグッズは使用しないでください。
手順:月1回の「しっかり耳掃除」
STEP 1|愛犬をリラックスさせる
耳掃除を始める前に、愛犬がリラックスできる時間と環境を整えましょう。耳に触れても嫌がらないか確認します。
STEP 2|耳の状態をチェックする
耳の中に赤みや腫れ、異臭、異常な耳垢がないかを確認します。異常が見られる場合は自己判断で耳掃除を行わず、動物病院を受診してください。
STEP 3|イヤークリーナーに浸したコットンをセットし、やさしくもむ
コットンにイヤークリーナーをたっぷり染み込ませ、丸めて耳の穴の入り口に優しくセットします。そのまま耳の付け根を外側から指でやさしく揉み込んでください。
※液体がじわっと耳の中に浸透し、奥の汚れを浮かせます。耳の穴に直接ローションを注ぐと犬が驚いてしまう場合があるため、コットンの使用を推奨します。
STEP 4|浮き出た汚れを拭き取り、乾燥させる
手を離すと、犬はブルブルと頭を振って汚れを外へ飛ばします。浮き出てきた汚れと水分を、清潔なコットンでやさしく拭き取ってください。
耳の奥に水分が残ったままだと炎症を起こす恐れがあるため、しっかり乾かすのもポイントです。
獣医師からのアドバイス
垂れ耳の犬は耳の中が乾きにくいため、耳掃除の後は耳をめくって、耳の中を乾かすようにしてあげるとベストです。
STEP 5|愛犬をたっぷり褒める
耳掃除が終わったら、おやつや言葉で思いきり褒めてあげましょう。「耳掃除 = 良いこと」という印象を持たせることで、次回以降もスムーズに行いやすくなります。
手順:週1回の「日常ケア」
目に見える範囲(耳の入口やヒダの部分)が汚れている場合のケアです。
イヤークリーナーを染み込ませたコットンで、該当箇所の汚れをやさしく拭き取るだけで完了です。こすらず、そっと押し当てるようにして汚れを吸着させましょう。
犬の耳掃除のNG行動4つ
間違った耳掃除は、愛犬の耳を傷つけたり、病気を悪化させたりするリスクがあります。以下の行動は避けてください。
綿棒や耳かきは使わない
耳の穴に綿棒を入れると、耳垢を奥に押し込んでしまったり、デリケートな耳道を傷つけたりする可能性があります。おうちケアでの綿棒使用は避けましょう。
消毒用アルコール・ウェットティッシュが使わない
消毒用アルコールは殺菌力が強すぎるため、皮膚のバリア機能を低下させたり、常在菌まで除去してしまいます。赤ちゃん用のおしりふき等も、犬に安全でない防腐剤が含まれていることがあるため避けましょう。
耳毛は抜かない
耳毛には雑菌の侵入を防ぐ役割があります。通気性を良くするために抜きたい場合は、自己流で行うと強い痛みや炎症の原因になるため、プロのトリマーや動物病院に任せるのが安心です。
過度に耳掃除しない
特に耳から臭いがしていなかったり、汚れていないのに頻繁に耳掃除をすると、バリア機能が破壊されて逆効果になります。月1回という目安を守り、汚れが気になる程度であれば軽く拭く程度にとどめましょう。
愛犬が耳掃除を嫌がるときの対処法
「耳掃除をしようとすると逃げてしまう」という場合は、無理やり押さえつけるのは逆効果。恐怖心を取り除くステップを踏みましょう。
1. まずは耳に触れることに慣れさせる
日頃のスキンシップの中で耳を触られることに慣れさせ、ポジティブなイメージを作りましょう。
2. ご褒美を活用する
耳掃除中・掃除後に特別なおやつを与えて「耳掃除=いいことがある」と学習させます。
3. イヤークリーナーを体温に温める
冷たいクリーナーを突然耳に入れられると驚いてしまいます。イヤークリーナーを人肌程度に温めてから使うと、嫌がらずに受け入れてくれることがあります。
4. プロに任せる
どうしても嫌がる場合や、耳の状態が心配な場合は、トリミングサロンや動物病院のプロに相談するのが安心です。一度強い恐怖心を植え付けてしまうと、その後のケアがさらに難しくなってしまいます。
耳の状態でわかるトラブルサイン
耳掃除のタイミングで耳の状態をチェックすることは、病気の早期発見に役立ちます。健康な耳の状態と、トラブルのサインを覚えておきましょう。
健康な状態とトラブルサイン
| 項目 | 健康な状態 | 注意が必要なサイン |
|---|---|---|
| 耳の内部の色 | 薄いピンク色 | 赤くなっている、腫れている(炎症の兆候) |
| 耳垢の色・状態 | 白色〜薄い黄色 少量で乾燥〜やや湿っている程度 |
耳垢が赤黒い・強いかゆみ(ミミダニ症の疑い) 黒・茶色でベタついている(マラセチアや細菌性外耳炎の疑い) 黄色でドロッとしている(重度な細菌感染・化膿の疑い) |
| 耳のニオイ | ほぼなし(うっすらとした程度) | 普段と異なり異臭がする |
受診の目安
以下のような症状が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。
- 耳から強いにおいがする
- 耳垢が黒・茶・黄色など異常な色をしている
- 耳の内部が赤くなっている・腫れている
- 頻繁に耳をかいたり、頭を振ったりする
- 耳掃除を極端に嫌がる
まとめ
定期的な耳チェックをコミュニケーションの一環として習慣化することで、愛犬の耳トラブルを早期に発見でき、健康管理にもつながります。
しかし耳掃除のやり過ぎは逆効果ですので、注意しましょう。また、異変に気づいたときは早めに動物病院を受診してください。
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