犬と猫の歯周病対策。歯磨きが難しい子でも継続できるアイテム4選

犬と猫の歯周病対策。歯磨きが難しい子でも継続できるアイテム4選

愛犬・愛猫の口のニオイ、気になっていませんか? 毎日頑張って歯磨きをしようとしても、嫌がって逃げられてしまう、そんな悩みを抱える飼い主さんは少なくありません。

しかし、その口臭や歯の汚れは、実は恐ろしい**「歯周病」**のサインかもしれません。

犬や猫は人間のように自分で歯を磨けないため、飼い主さんのサポートが不可欠です。この記事では、歯周病の怖さから、最も効果的な「歯磨き」の重要性、そしてそれが難しい場合の4つのオーラルケアアイテムと選び方について、わかりやすく解説します。

※オーラルケアアイテムは病気の治療ではなく口腔内の健康維持が目的の商品となります。

▼目次

放置しないで!犬猫の歯周病が引き起こすリスク

「ちょっと口が臭いだけ」と軽く考えてはいけません。実は、3歳以上の犬や猫の約8割が歯周病、またはその予備軍だと言われています。

歯周病はどうして起こるの?

原因は、歯の表面に付着する「歯垢(プラーク)」です。歯垢は細菌の塊で、放っておかれると硬い「歯石」に変化します。

歯垢の中の細菌が歯茎に炎症(歯肉炎)を起こし、進行すると歯を支える骨(歯槽骨)まで溶かしてしまう(歯周炎)。これが歯周病です。

歯周病が進行するとどうなる?

  1. 口臭がキツくなる: 細菌が繁殖し、不快なニオイを発生させます。
  2. 歯茎の腫れ・出血: 炎症が起こり、硬いものを食べた時や触れた時に出血しやすくなります。
  3. 痛みで食欲減退: 炎症がひどくなると、痛みでご飯を食べるのを嫌がるようになります。
  4. 全身の病気へ: 口内の歯周病菌が血管を通って全身に回り、心臓病、腎臓病、肝臓病などの重篤な病気を引き起こすリスクがあることが、近年の研究でわかっています。

歯周病対策の【スタンダード】は「歯磨き」

歯周病は、歯の表面に付着した歯垢を物理的に除去しない限り、根本的な進行を止めることはできません。

歯磨きが最も効果的な理由

歯磨き、特に歯ブラシによる物理的なケアは、歯と歯茎の隙間に潜む歯垢を確実に取り除くことができる唯一の方法です。

歯垢は細菌の塊であり、付着してから約3日~5日(犬の場合)で除去が困難な硬い歯石に変化してしまいます。そのため、できる限り毎日歯を磨くことが歯周病予防に一番効果的です。

多くの飼い主が直面する壁

しかし、理想と現実は異なります。多くの飼い主さんが以下の理由で歯磨きの継続に悩んでいます。

  • 口元を触られることにトレーニングが必要:ペットが警戒し、トレーニングが必要。
  • 飼い主とペット双方のストレス:無理強いすることで、信頼関係が悪化する懸念がある。

完璧な歯磨きが難しい場合でも、「何もしない」のではなく、**「ストレスなく毎日継続できるケア」**を取り入れることが重要です。

歯磨きが困難な愛犬・愛猫へ!継続を可能にする【4つのサポートアイテム】

歯磨きによる物理的な除去が難しい場合でも、口内環境を整え、歯垢や歯石の付着を抑制するために役立つ多様なオーラルケアアイテムが存在します。

これらのアイテムは、歯磨きの「代わり」ではなく、**「補助」または「継続のための妥協点」**として活用することで、歯周病の進行を遅らせる効果が期待できます。

ケアアイテム 作用の仕方 使用方法 手間 向いている性格 注意点
オーラルケア
ウォーター
成分が飲み水と一緒に口内に行き渡り、細菌やニオイの原因にアプローチ。 飲み水に混ぜる 超簡単 歯磨き嫌いな子や多頭飼い 食べかすなど、物理的な汚れには効果が薄い
サプリメント 成分が食事と一緒に口内へ行き渡り、細菌やニオイの原因にアプローチ。 食事に混ぜる 簡単 フードへの拘りが強くなく、ご飯を食べる子 右側でしか噛まないなど食べ方にクセがあると効果がまばらになる可能性がある。
ジェル・
ペースト
物理的に塗り込んだり、ブラッシングで利用できるので一番効果が期待できる。 指やガーゼで塗布。ブラッシング時に利用 慣れが必要 口元を触ることができる子。 トレーニングが必要
おやつ・
ガム
噛む摩擦で歯の表面をこすり落としたり、ガムに歯垢を吸着させる。 全ての歯で噛ませるように与える 慣れが必要 食欲旺盛な子や、おやつを丸呑みしない子 カロリーによる体重増加。与え方にコツが必要

【タイプ別】愛犬・愛猫に合うケア用品の選び方

どのアイテムが最も効果的かは、その子の性格と症状の進行度によって変わります。

ステップ1:性格と受容度で選ぶ

  • 「絶対に口を触らせてくれない」オーラルケアウォーター、サプリメント
  • 「指で少し触るくらいなら大丈夫」ジェル・ペーストを指やガーゼに付けて塗布やブラッシング
  • 「しっかり噛むことができる子」オーラルケア用おやつ・ガム

ステップ2:症状の段階別の対応

  • 無症状:可能であればブラッシングのトレーニングをしながら健康を維持するためにウォーター、サプリメント、おやつなど、ストレスのない継続しやすいもの。
  • 口臭が気になる初期段階:ブラッシングを行い、ウォーターやサプリなども併用。初期段階であっても一度獣医師へ相談することもおすすめです。
  • 重度の歯石・歯周炎:まずは獣医師に相談し、歯科処置(歯石除去など)を受けてから、再発防止のためにケア用品を導入しましょう。

大切なのは、「これなら毎日続けられる」と思えるアイテムを選ぶことです。複数のアイテムを組み合わせて、効果的にケアするのもおすすめです。

まとめ:歯周病ケアは「物理的な除去」と「継続」が鍵

犬や猫の歯周病予防において、**最も効果が高いのは、歯ブラシによる「歯磨き」**です。

しかし、もし愛犬・愛猫が歯磨きを強く嫌がる場合は、完璧を目指すあまり挫折するよりも、上記のオーラルケアウォーターやジェル、サプリメントなどのアイテムを活用し、**「毎日継続すること」**を最優先にしましょう。

  • 理想: 毎日の歯磨きによる物理的歯垢除去
  • 現実的目標:歯磨きが無理なら、ストレスのないアイテムで口内環境の悪化を防ぐ

簡単なケアを毎日続けることが、5年後、10年後の愛犬・愛猫の健康と、飼い主様との幸せな生活を守ることにつながります。

監修

渡邊 遥 先生

おうち de ペットクリニック

2015年日本大学卒業、獣医師免許を取得。4月より横浜市の動物病院で小動物臨床に従事。
その後ペット関連企業での研究開発や商品開発、グループ動物病院の運営に従事し、様々な視点での犬猫の生活・診療に携わる。

2022年に福岡県内で往診専門動物病院を開院し、在宅動物医療にあたる。また、「どうぶつとの社会は、人を豊かにする」をテーマにペット関連事業者のサポートやペット業界での講演や執筆など幅広く活動を行う。

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