猫のトイレのしつけ完全ガイド〜失敗を防ぐ環境づくりと正しいトレーニング方法

猫のトイレのしつけ完全ガイド〜失敗を防ぐ環境づくりと正しいトレーニング方法

猫を初めて迎えたとき、最初に頭を悩ませるのがトイレのしつけではないでしょうか。「どこに置けばいい?」「失敗したらどうすれば?」と不安になる方も多いはず。実は、猫は本来とても清潔好きな動物。適切な環境と手順を整えれば、トイレのしつけは思いのほかスムーズに進みます。この記事では、初日から実践できるトレーニング方法から、失敗してしまったときのトラブル対処法まで、徹底的に解説します。

目次

トイレのしつけはいつから始める?

トイレのしつけは、猫を家族に迎えたその日から始めましょう。一度間違った場所をトイレと認識してしまうと、矯正にかなりの時間と手間がかかってしまいます。早めのスタートが、後々の苦労を大幅に減らすポイントです。

習得にかかる期間の目安は以下のとおりです。

  • 子猫:早ければ当日、遅くとも1週間程度
  • 成猫・元野良猫:以前の習慣があるため、やや時間がかかる場合あり

猫のトイレトレーニングの5ステップ

トイレ環境を整えた上で、愛猫にトイレの場所を教えてあげることが大事です。
猫をお迎えしたら、速やかにトイレトレーニングのしつけを始め、根気よく続けていきましょう。

1. トイレのタイミングを予測する

猫には排泄しやすいタイミングがあります。その子によっても異なるため、よく観察して予測しましょう。

  • 寝起き
  • 食後

2. トイレのサインを見逃さない

猫をよく観察することです。以下のようなサインが出たら、トイレに連れて行くタイミングです。

  • 床のにおいをしきりに嗅ぐ
  • ソワソワと落ち着かない様子
  • 床を掘るような仕草をする

3. サインを確認したら静かにトイレへ

トイレサインを見つけたら、静かにそっとトイレの中へ入れてあげましょう。大きな声や素早い動作は禁物です。猫がびっくりして排泄をやめてしまいます。

4. 排泄中は静かに見守る

排泄している最中に声をかけるのは逆効果です。猫が集中できるよう、そっと見守るのが正解。子猫の場合は、2〜3時間おきにトイレへ連れて行くルーティンも効果的です。

5. 成功したらその場で褒める

トイレを正しく使えたら、排泄が終わったタイミングでしっかり褒めてあげましょう。猫は褒められることで「ここがトイレだ」と認識を強化していきます。

猫が喜ぶトイレ環境の整え方

トイレの「場所」「数」「形」「サイズ」「砂」の5つを最適化することが、粗相を防ぐ近道です。

トイレの設置場所:静かで落ち着ける場所を選ぶ

猫は排泄中に無防備な状態になるため、安心できる場所でないとトイレを嫌がります。以下の点を意識して設置場所を選びましょう。

  • 静かで人通りの少ない場所(リビングの隅など)
  • 洗濯機・乾燥機・ドアの開閉音など大きな音がしない場所
  • 食事スペースや寝床から離れた場所

トイレの設置数:「頭数+1個」

トイレの数は「飼育している猫の頭数+1個」が理想とされています。多頭飼いの場合は、ほかの猫のにおいを嫌がって使わないケースがあるため、異なる場所に分散して置くことをおすすめします。

トイレの形状:猫の好みや掃除のしやすさ

猫のトイレは、さまざまな形状のものがあります。猫の好みや、ライフスタイルに合わせて選びましょう。トイレの形状別に代表的なものを紹介します。

オープンタイプ

屋根がない浅い箱型のトイレです。中がよく見えるため、飼い主さんも猫が用を足したことに気づきやすくなります。メリットは猫砂の交換や水洗いが楽なこと、デメリットは猫砂が飛び散りやすいことやニオイが広がりやすいことです。初めて猫を飼う方や子猫におすすめです。

カバータイプ

カバーがついたドーム型のトイレです。外から見えにくいため、猫が落ち着いた環境で安心して排泄できます。警戒心が強いタイプの猫にはおすすめです。メリットは、猫砂の飛び散りを防げることや、ニオイが部屋に広がりにくいことです。デメリットは、飼い主さん視点では排泄物の確認や掃除がしにくいこと。猫にとっては背中がカバーの屋根部分に当たったり、ニオイや湿気がこもりやすくなることです。

トイレのサイズ:猫の体長の1.5倍以上

トイレのサイズは、猫の体長(首から尾の付け根まで)の1.5倍以上の長さを目安に選びましょう。方向転換や砂をかく動作が窮屈なく行えることが重要です。
また、出入口の高さも見るべきポイントです。子猫や高齢猫にはまたぎやすいよう、入口が低いタイプか、ステップつきのものを選んであげましょう。

猫砂:猫の好みに合わせて選ぶ

猫砂にはさまざまな種類があり、猫によって好みが異なります。猫砂の素材は主に5種類あります。それぞれに特徴がありますので、メリット・デメリットを知って最適な猫砂を選びましょう。

種類 メリット デメリット
鉱物系(ベントナイト等) 自然の砂に近く多くの猫に好まれる。凝固力が強い。比較的安価。 重いので持ち運びが大変。燃えるゴミに出せない
木製(ヒノキ等) 天然の香りで消臭効果あり。燃えるゴミとして処理可能 固まる力がやや弱い
紙系 軽量で扱いやすい。トイレに流せるタイプも多い 軽量なため飛び散りやすく、排泄後に激しく砂をかける猫には不向き
おから系 万が一食べても比較的安心。吸収力が高い 固まるまでに時間がかかることがある
シリカゲル系 脱臭力が非常に強力。数週間取り替え不要の商品が多い 足裏に張り付きやすく嫌がる猫もいる

トイレの失敗、4つの原因

環境を整えても粗相が続く場合は、必ず何か理由があります。以下の4点を順番にチェックしてみましょう。

トイレが汚れていないか

猫は非常にきれい好きです。排泄物が残っていたり、においがきつくなったりしているトイレは使いたがりません。1日1回以上の掃除と、1〜2週間に1回の丸洗いを習慣にしましょう。

設置場所に問題はないか

騒がしい、落ち着かない、食事スペースに近いといった環境では、猫はそのトイレを使わなくなることがあります。設置場所を見直してみましょう。

ストレスを感じていないか

引越し、家族構成の変化、多頭飼いによるテリトリーの問題などが原因で粗相が起きることがあります。最近、猫の生活環境に変化はなかったか振り返ってみてください。

体の不調が隠れていないか

膀胱炎・腎臓病などの疾患がある場合、排泄時の痛みからトイレを嫌いになることがあります。尿の色の変化、頻尿、血尿などの兆候が見られたら、すぐに動物病院を受診してください。

トイレを失敗したときの事後対処法

愛猫が何度か失敗をしてしまう場合も、決して叱らないようにしてください。なぜ失敗してしまうのか原因を探り対策を考えましょう。

叱ることはNG

失敗しても絶対に叱らないこと。これはトイレのしつけにおける最重要ルールです。 叱ってしまうと、猫は「排泄そのものが悪いことだ」と誤学習してしまいます。その結果、隠れて粗相をするようになったり、排泄を我慢して膀胱炎などの病気を引き起こすリスクがあります。失敗は叱るのではなく、「なぜ失敗したのか」を環境面から見直すことが大切です。

においを完全に除去する

猫は自分のにおいが残っている場所を「トイレ」と認識します。粗相した場所を放置すると、また同じ場所で繰り返してしまいます。ペット用消臭剤や洗剤を使って、溝の部分まで徹底的ににおいを取り除くことが再発防止の鍵です。

においをうまく活用する

粗相した尿を拭き取ったシートや使用済みの砂を、本来のトイレに移してあげましょう。猫が「ここがトイレの場所だ」と認識しやすくなります。
それでもトイレの場所をなかなか覚えてくれない場合は、しつけ用のスプレーなどのグッズを使ってみても良いかもしれません。

まとめ

猫のトイレのしつけは、飼い主さんの粘り強い「観察」と「環境づくり」がポイントです。まずは広めのトイレを静かな場所に用意し、猫砂の好みをテストしながら、焦らず見守ってあげてくださいね。
それでも粗相が改善しない場合は、病気が潜んでいる可能性もあります。環境の見直しと合わせて、迷わず動物病院に相談しましょう。正しい知識と愛情ある対応が、猫との快適な暮らしへの一番の近道です。

監修

渡邊 遥 先生

おうち de ペットクリニック

2015年日本大学卒業、獣医師免許を取得。4月より横浜市の動物病院で小動物臨床に従事。
その後ペット関連企業での研究開発や商品開発、グループ動物病院の運営に従事し、様々な視点での犬猫の生活・診療に携わる。

2022年に福岡県内で往診専門動物病院を開院し、在宅動物医療にあたる。また、「どうぶつとの社会は、人を豊かにする」をテーマにペット関連事業者のサポートやペット業界での講演や執筆など幅広く活動を行う。

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